不安をエネルギーに
- vol.28/コンプレサー通信2018年2月号掲載
富山を離れてマジックショーのお仕事二日目。
ピローン。
早朝、妻からラインが届いた。
「すごい雪、外が大変!」
写真をみたら車がほぼ埋まっている。
なんてこった、パパがいない時にこの大雪。
ニュースをつけたら、北陸の雪の話題が。除雪は大丈夫かな?学校には行けるのかな?
ピローン。
またラインだ。
学校が急きょお休みになったらしい。
幼稚園も休むとのこと。
ピローン、今度は写真が届いた。
子供たちが満面の笑みで雪遊びをしているではないか。
おいおい、その場所は屋根の雪が落ちてこないか?
あぁモヤモヤ。
本当にコンプさんは心配性だなぁと思う。
マジックショーでも心配はつきもの。
慎重になりすぎて、なかなか新ネタを下ろせないしね。
こんな自分が嫌だなぁ。
どうすれば、不安をものともしない挑戦意欲旺盛な冒険家のような人間になれるのかな?
と、ネットで検索してみたら、偉い落語家師匠のお言葉を発見。
「冒険家とは、危険にたいして判断がにぶい奴」
少しトゲがあるけれど、なんとユーモアのある言い回し。
受けとめ方、表現の仕方ひとつで変わるもんですねぇ。
リスクを事前に感じることは悪いことじゃないもんね。
漠然とした不安をいつまでもそのまんまにしておくことが良くないんだろうね。
考えてみたら、いつどうなるかわからないマジシャンという職業、不安が原動力になっているのかもしれないなぁ。
仕事を終えて自宅へ出発。
次第に雪が増えていく。
事故車も多い、ゆっくり帰ろう。
なんとか我が家に到着、ひと安心。娘にお土産を渡すと大喜び。
「パパ、一番大変な時に家にいなかったね~」
悪気のない娘の言葉がどことな可笑しくって、みんなで笑った。