生まれ変わるきっかけは

  • vol.46/コンプレサー通信2019年8月号掲載
マジックめろんマン

マジックショーがスタート、少し冒険してみることに。

何度演じても盛り上がらず、納得がいかない『チャイニーズステッキ』を取り出した。

『チャイニーズステッキ』は2本のステッキと糸が織りなす古典マジック。

シンプルなだけに演じ方が難しく、何度も挑戦とお蔵入りを繰り返しているのです。

ちなみに、コンプさんが使っているのは、現在入手困難な日本製で、数年前に運よく手に入れることができたお気に入りのもの。

「古い、パズルのようなマジックをご覧いただきましょう」

糸を引っ張ってみると汚れに気が付いた。

黄色い糸が、ところどころ黒ずんでいて、千切れそうになっている。

何度か引っ張ると動かなくなった。

観客もトラブルに気が付いたご様子。

「諸事情により、このマジックを終わります」

と言って一礼すると、笑いが起こった。

ショーを終え、アシスタントのともやんに聞いてみたら運搬中にワゴンのキャスターに絡まったとのこと。

ああショック、大切に使ってきたのに。

普通はパーツを取り外せる道具なのにこれに限って分解ができない作りになっているのだ。

覚悟を決めて修理をしてみることに。

ステッキを恐るおそるノコギリで切ってみた。

なんとかなりそうだ。

ついでに好みの長さに調整、糸を取り換えサンゴのビーズを取り付けてみた。

おぉ、いい感じ。

愛着がわくなぁ。

自分好みのサイズ感、以前よりも扱いやすくなったぞ!

生まれ変わったチャイニーズステッキをにぎっていたら、あの時、故障の原因を責任転嫁しそうになった自分を恥じた。

生まれ変わるきっかけになったんだもんね。

このチャイ二ーズステッキで、たくさんの人たちを笑顔にできる日が近づいたような気がするぞ、なんだか意欲がわいてきた!

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