懐かしのイリュージョン

  • vol.60/コンプレサー通信2020年10月号掲載 

コロナ禍ではありますが、ステージに立つ機会がポツポツと戻ってきた。

初心にかえろう!

という思いもあって、倉庫から懐かしいイリュージョンをひっぱり出した。

「バスケットイリュージョン」と呼ばれている作品で、箱の中に人が入って剣を刺していく古典の名作。

コンプさんがプロマジシャンになって初めて手にいれたイリュージョンマジックで、思い出深い作品だ。

コンパクトに折りたためるから当時乗っていた小さな車にも積み込むことができて、いろんな現場で活躍してくれたっけ。

あの頃はまだアシスタントがいなかったから、主催者側でアシスタント役を選んでもらい、事前に練習をして演じていた。

一般客が箱に入って剣で刺されるという演出はすごく盛り上がったなぁ。

その人にタネがわかってしまうから、あまり感心しないやり方だけどね。

とある企業の忘年会でそのイリュージョンを演じることになり、社長が自ら「私が箱に入ります」と言ったときは驚いた。

当日、社長をボックスに押し込んで、営業部長と総務部長が剣を刺しはじめると会場は大爆笑。

最後に無傷の社長が現れポーズを決めたときの客席の歓声がスゴかったなぁ。

アシスタントのともやんと一緒にマジックをすることになったきっかけも、このイリュージョンだった。

初めて開催した自主ライブでアシスタントをお願いすることになって、練習をくりかえしたっけ。

希望に燃えていたなぁ。

プロマジシャンになって十三年目の今、まさかこんな世の中になろうとは。

懐かしのイリュージョンを見ながら、なんだかしんみり。

頭をふってスイッチを前向きに切り替える。

初心にかえって頑張ろう、未来に希望を持って進むのだ!

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