ハムスターが教えてくれたこと

  • vol.16/コンプレサー通信2017年2月号掲載

その昔、真っ白なハトを飼っていました。

名前はハーちゃん。

自分のネーミングセンスを疑う。

ハーちゃんの初舞台。

空っぽの箱から出現するマジックに挑戦だ。

準備のため、こっそり隠れてもらいステージ上にセット。

さぁ、マジックショーの開演!

「ポーポッポ」

会場に鳴き声が響く。

おいおい、まだ登場前ですよ。

ハーちゃん緊張しているのか?

まずはスプーン曲げのマジックから。

「このスプーンに念力をおくると・・・」

「ポーポッポ」

客席がざわめく。

「念力を送ると・・・」

ガタガタッ、箱が揺れる。

「念力を送ると、なんと、あの箱が、動き出す場合があるのです」

客席は大爆笑。とんでもない超能力現象が起こったのだ。

ハーちゃんを皆さんに紹介したら大盛り上がり。

動物好きの人って多いのね。

「犬を飼いたい!」

小学四年生の娘が突然言い出した。

ワンちゃんが苦手なコンプさん。

だけど、絶対ダメ、とは言えなかった。

コンプさんも、小学一年生の頃、動物が苦手な母に頼み込んでハムスターを飼ったことがあった。

名前はハムちゃん。

くるくる元気に走り、エサを頬張る姿が本当にかわいかった。

冬を迎え、寒さをしのぐためのケージカバーを、父が発泡スチロールでつくってくれたなぁ。

木目のシートを貼るこだわりよう。

お別れの日は突然やってきた。学校から帰ったら、動かなくなっていた。

手のひらに乗せたら驚くほど冷たくって、涙がとまらなくなった。

幼かったコンプさんは、ハムちゃんがずっと、この家にいると思い込んでいた。

たくさんの思い出が、家族みんなの心に、今も残っているのね。

ときどき、ペットショップでワンちゃんを眺めています。

苦手だったのに、少しずつかわいくなってきた。

ワンちゃんを飼うには現実的な問題も多い。

時間をかけて、娘と話し合っていこうと思う。

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