環境が整ったライブへの思い
- vol.23/コンプレサー通信2017年9月号掲載
「コンプレッサーさんのマジックショーをお楽しみ下さい!」
司会者さんの紹介後、登場曲が屋外のイベント会場に響きわたる。
鳴り響く拍手の中、コンプさんが笑顔で登場。
「ビューン、ガシャーン」
突然の強烈なビル風にあおられ、マジック道具がひっくりかえった。
静まり返る客席をみて、コンプさんがひと言。
「スゴイでしょ、手を触れなくても倒せる私の念力!」
笑いでその場をしのぎ、強風でも影響のない演目に切り替えた。
ステージと客席の間にメイン通路がある舞台もあったなぁ。
みんなステージ前を横切っていくのだ。
「あらぁ、気が利くお客様。立ち止まったら座っているお客さんの邪魔になりますもんねぇ」
横切ろうとする人たちと絡んで、笑いに変えながらステージを展開。
強引に引き付けることができるマジックで乗り切った。
屋内でも安心はできない。
ホテルパーティーの余興で登場したら客席全員、泥酔状態。
「皆さん酔っぱらってますねぇ。マジシャンには好都合、タネが絶対ばれないし。うっしっし」
テンションが高めなマジックをチョイス、その場にハマってひと安心。
どのような環境でも感謝してお受けし、結果を残せるように磨き続けなきゃね。
それがプロの仕事なんじゃないかなぁと思う。
だけど、本当にやりたいことを忘れてはいけないのだ。
ラスベガスで体感した世界的マジシャンたちの舞台を思い出す。
ベストな環境、マジックを観るために訪れた観客。
その瞬間、そこにいた人だけが味わえる特別な時間!
コンプさんが求めているものがそこにある。
劇場・ホールでの長時間ライブへの思いは特別なのだ。
十月の手品祭りが楽しみだ!