地方で生きる芸人の役割

  • コンプレサー通信2019年7月号掲載

公民館祭りでのマジックショー、司会役の女性がコンプさんを紹介している途中にマイクが切れた。

何かトラブルがあったらしい。

そんな中、登場曲が流れたのでステージへ。

一礼して、しゃべろうとしたら司会が再会されズッコケた。

このようなイベントでは、環境が整っていないから仕方がないのだ。

マジック開始、客席の集中力が高まっていくのを感じながら大好きなロープマジックを進める。

一番の見せ所でみんなの視線が天井へ。

窓からツバメが飛び込んできたのだ。

「ツバメを出現させました!」

コンプさんの苦し紛れのセリフで笑いが起こるも、手元のロープがなんだか空しい。

落ち着きを取り戻したところでトランプを取り出したら、少年が叫び始めた。

「ボクもマジックできる、ボクもできる…」

呪文のように何度も繰り返す少年。

みんな集中できやしない。

なんとかこの状況を打開しなければ。

「さぁ、それでは、その少年マジシャンに登場いただきましょう。皆さん拍手を!」

司会口調のコンプさん。

少年が照れて静かになるのを狙った作戦だったのに、立ち上がってステージに向かってくるではないか。

なんというメンタルの強さ。

予想外の展開を楽しみながら、拍手を送る地域の皆さま。

おしゃべりで盛り上げを試みるコンプさん。

少年がおぼつかない手つきで簡単なトランプマジッを成功させると歓声が起こった。

うれしそうに戻っていく少年。

思い出になったらいいなと願う。

ショーを終え、後から振り返ってみた。

マジックをお楽しみいただくのは難しい環境だったけど、皆さんの笑顔は多かったなと思う。

一方的に準備したマジックを演じればいいというものではないんだね。

心に残るショーというのはその時々で変わるものなんだろうな。

地方で生きる芸人の役割を考えさせられたコンプさんなのでした。

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