マジシャンの見えない糸

  • コンプレサー通信2016年10月号掲載

荷物の積み込みを終え、出発しようと思ったら遠くから視線を感じる。

職業柄うれしいな。

プロマジシャンとしての活動を始めたばかりの頃、『富山県内での知名度をあげる!』というのを課題にしてたっけ。

そんなことを思い出しながら、手をふっている女性に笑顔で会釈をして出発。

バックミラーをみたらトランクが全開。

危うくマジック道具をばらまくところだった。

あの女性、そのことを教えてくれてたのね、あぁ恥ずかしい。

信号待ちで隣にトラックが止まる。

運転手さんが窓をあけて話しかけてきた。

「ラジオ、いつも聴いてますよ、頑張ってください!」

励みになるなぁ。

カレー屋さんでランチ。

スタッフさんに声をかけいただき記念撮影。

あとからSNSで記事を発見。『コンプレッサーさんご来店、ビッグなカツカレーを食べていかれました!』

妙なものを食べなくってよかったなぁ。

サウナで元気なおじさんに遭遇、裸で『鳩の出現』をせがまれ戸惑うコンプ。

居酒屋で乾杯!

「コンプさん、俺の千円札を一万円札に変えて!」

「いいですよ、準備をするので一万円札を貸してください!」

おじさんは笑いながら去っていく。

ショーの打ち上げの席で、初対面の方に話しかけられた。

「コンプさん、週に一回ご両親とお茶してるんですよね。その話をラジオで聴いて、ボクも会いに行ってきたんですよ。母親がすごく喜んでくれてうれしかったです!」

その一言で、ハッとした。

いろんな人と、見えない糸でつながっている、この仕事の役割を感じた。

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