能登地震で二次避難されている皆様にマジックショーを!

笑顔の連鎖
避難生活の厳しい現実に、一かけらの楽しみを提供できたならば。そんな想いでホテルニューオータニ高岡さんからお声がけをいただいたのでした。二次避難で長期滞在されている方々へ、ホテルのおいしいお料理と、マジックショーを通じて笑顔をお届けしたい、というお話だったのです。
実は私自身も、輪島に親戚がいて、二次避難している中で感じていることをいろいろ聞いていたこともあり、連日のニュースで伝えられる厳しい避難所生活の様子を見て、何かしたいなと思っていたところにうれしいお話がきました。喜んで引き受けさせていただきました。
相方のともやんも賛同してくれ、二人で力を合わせてサロンショーとテーブルマジックのステージを用意することになったのでした。しかし本番直前、スタッフから「涙ぐんでいる人もいます」との報告があり、一瞬戸惑いを覚えました。
どんな表情で登場し、何を話せばよいのだろうか。ともやんと相談し、「普段通り、ライブ感をもって、今思っていることをストレートに話そう」と決めたのでした。そして自己紹介で、親戚が二次避難していることを切り出すと、会場から驚きの声が上がったのです。
なんと、そこには私の親戚知る人たちがいらっしゃったのです。まさかの出来事に、一気に距離が縮まり、笑顔があふれた空間となりました。サロンショーは大盛り上がりとなったのでした。
テーブルマジックを行う中で、客席から様々な反応がありました。記念撮影を求められたり、逆に「頑張ってください」と応援の言葉をいただいたりしました。応援の言葉に対して思わず「皆さんのほうこそ!」と返すと、会場から笑いが起きるなど、終始笑顔に包まれた空間となりました。最後には客席の方々と手を取り合い、笑顔のまま会場を後にすることができたのでした。
マジシャンとしての私の仕事が、みなさんの一時の憩いの場となれたことに、この上ない喜びを感じました。避難所での生活が少しでも和らいだのであれば、それに勝る喜びはありません。
いつもお世話になっているホテルさんからの機会をいただけたことを、心より感謝しています。一人ひとりに届けられたささやかな笑顔が、希望の連鎖になることを願っているのでした。

