全力の子供たち
- vol.26/コンプレサー通信2017年12月号掲載
富山市立鵜坂小学校に到着。
定期的にマジックショーを公演しているのです。
校長先生の、子供たちへの思いに心を打たれ、プロマジシャンとしての役割を感じて引き受け、四年目となりました。
校長先生にご挨拶。
校長室で雑談をしていると、大人になったなぁと実感するのね。
楽しみにしている給食タイム。
実はこっそりふりかけを持参しているのだ。
これぞ、大人の特権!
でもなぜか、ほんのり感じる罪悪感。
昔の教えが心にしみ込んでるんだなぁ。
今回は、低学年の百六十名がマジックショーのお客様。
自由参加のこの企画、今までで最も多い人数だ。
会場の音楽室に、みんな入れるのかな、と心配したけど問題なかった。
床に体育座りして、肩を寄せ合ったら随分コンパクトに。
みんな小さくってかわいいなぁ。
「目でよく見て、耳でしっかり聞いて、そして、頭で考えて!」
子供たちにマジックを楽しむポイントを伝えて公演開始。
みんな楽しんでくれたみたい。
反省もあるけどね。
キッズショーの時は、いつも、偉い落語家師匠の言葉を思い出す。
「大人に魅力がないから子供たちが言う事を聞かないんだ」
芸の事ではなく、単純に、大人と子供の関係について話した言葉なんだろうけど、深く考えずにはいられない。
道具をかたずけながら、ふとグラウンドに目をやった。
休み時間のようで、子供たちが走りまわっている。
すごいなぁ、全力だ、全力で走ってる。
すげぇ、すげぇ。
追いかけっこしているだけなのに、そんなに楽しいか?
無我夢中で遊ぶ子供たちを見ていたら、なんだかじ~んときた。
大人になったら「全力」というのが難しくなるね。
知識や経験がブレーキをかけるんだろうなぁ。
なんだか子供たちが、まぶしくみえた。