エッセイ:ふわふわ言葉とちくちく言葉

ふわふわ言葉とちくちく言葉
「本物にふれる授業」というので、呼んでいただいた。
全校生徒のみなさんに、体育館でマジックショー。
本物だなんて、照れくさいなぁ。
その前に、控室にどうぞと通されたのは、一年生の教室だった。
小さな机と椅子が、ちょこんと並んでいる。
ちょっと、ひと休み。
その椅子に、腰をおろす。
こんなに低かったっけ。
毎日ここに座るのは、一年生。
みんな、ちっちゃいんだなぁ。
ふと、うしろの壁に、貼り紙がひとつ。
「ふわふわ言葉」と「ちくちく言葉」。
ふわふわ言葉は、「ありがとう」「いっしょにあそぼう」「だいすき」。
ちくちく言葉は、「きらい」「むり」「あっちいって」。
子供の頃、こんなこと、ちゃんと習っていたんだろうなぁ……
すっかり、忘れていたけれど。
よし。今日のショーは、ぜんぶふわふわ言葉でいこう。
……そういえば。
経営者の皆さんが集まる勉強会、
いい大人が朝っぱらから、一年生とおんなじことを、補習中(笑)。
一生かけて、ちょっとずつ、ね。
さあ、出番だ。
小さな椅子から、よっこいしょ、と立ち上がり、膝がポキッと鳴った。
すっかり、おじさんになっちゃったなぁ。
いってきます。
エッセイを読んでいただき、ありがとうございます。書いているのは、富山のマジシャン・コンプレッサーです。
