Google広告をAIと始めました|少額から回す3か月の実験
こんにちは!マジシャンのコンプレッサーです!
今回はマジックの話ではなく、AI活用のお話です。
先に結論を書きますね。Google広告を、AIと一緒に始めました。 2026年9月3日から、実際に配信が動いています。予算は、まずは思いきり小さくしました。
Google広告は、ずっとやってみたかったことのひとつでした。それなのに芸歴18年、一度も配信したことがありません。理由はひとつだけ。なんだか難しそうで、とっつきにくかったからです(笑)
ところが今回は、迷うところがまったくありませんでした。キーワードを選ぶのも、出さない言葉を決めるのも、広告文を書くのも、予算の組み方も、ぜんぶAIが考えて実行してくれる。
こちらが言ったのは、たった一言です。「忘年会と新年会の集客で広告を出したい。全部おまかせ」

なぜ18年やらなかったのに、今は迷わなかったのか?
とっつきにくさの正体は、難しさではなく「決めごとの数」でした。
広告を出そうとすると、最初にこれだけのことを決めることになります。
- どのキーワードで出すか
- どの言葉で検索されたときは出さないか
- どの地域に出すか
- 1日いくらまで使うか
- 1回クリックされるのにいくらまで払うか
- 広告文をなんと書くか
ひとつずつ見れば、どれも難しくありません。でもいっぺんに全部聞かれると、手が止まります。
しかも決めた瞬間からお金が出ていくので、適当に選ぶわけにもいかない。
去年の暮れにも、実は一度やろうとして途中で止まっていました。広告のアカウントだけ作って、そのまま放置です。原因は知識でも判断でもなくて、9月から12月がいちばん忙しい時期だったというだけの話でした。
そこがAIの得意なところでした。実際のデータをもとに候補を出してもらって、そのまま設定まで進めてもらう。こちらは方針だけ決めて、あとは確認して「それでいこう」と言うだけになりました。
AIは、実際に何をやってくれたのか?
過去の検索データを読むところから、広告の登録と安全確認まで、ひと通り全部です。
| やったこと | 中身 |
|---|---|
| 過去22か月の検索データを読む | どの言葉で人が来ていて、どの言葉では素通りされているかを全部集計 |
| 勝てる言葉と負ける言葉を分ける | 地名がついた言葉は上位に出て、よくクリックされている。一方で「マジシャン派遣 料金」のような言葉は、検索結果に出ていてもまったくクリックされていない |
| 月ごとの動きを見る | 9月に検索されているのは忘年会だけで、クリスマス会はまだまったく検索されていない。だからクリスマス会向けの広告は10月からに回した |
| 広告文をつくる | 4つのキャンペーン向けに、見出しと説明文を合わせて54本。文字数の検算まで自動 |
| 出さない言葉を決める | 「この言葉で検索されたときは出さない」という指定を167語。「マジシャンになる方法」のような、依頼ではない検索を先に切る |
| 予算と地域を設計する | 1日の上限と、1クリックの上限を決める。地域は車で行ける範囲だけに絞る |
| 成果の計測が生きているか確かめる | 電話・LINE・フォーム送信のクリックが本当に記録されるかを、実際に押して確認 |

いちばん助かったのは、表のいちばん下の「成果の計測が生きているか確かめる」です。「たぶん動いているはず」で済ませないところなんですね。
数字の裏づけがあると、決めるのが一瞬になります。
「マジシャン派遣 料金」のような言葉では、検索結果に出ていてもクリックがまったくありません。そこそこ上のほうにいても、さらに上に広告と大手のポータルサイトが並んでいて、誰もそこまで降りてこないという状態です。
自然検索だけでは、まず取れない枠だと分かったから、買うことにした。 そういう順番でした。
検索広告は、この3つでできている
広告に載っているのは文字だけです。写真も動画も、1枚も要りません。
ここは始める前にいちばん誤解していたところでした。派手なバナーを用意しないといけないと思っていたんです(笑)
画面に出ているのは、見出しと説明文と表示URLの3つだけです。
しかも見出しは15本まで登録できて、検索された言葉に合わせてGoogleがその中から数本を選んで組み合わせてくれます。

文字数の制限も1字単位で厳密で、超えていると登録すらできません。54本ぶんの検算を人がやっていたら、たぶんそれだけで夜が明けます。
もちろん、押したときに開くページは別に用意します。用意するものは「文字」と「リンク先のページ」の2つだけ、と思っておけば大丈夫でした。
広告のリンク先は、この記事とは別に用意した忘年会・新年会のご案内ページにしています。
https://comp-office.com/bonenkai-magic/
予算を小さくすると、なぜクリック単価が下がるのか?
予算を絞ると、Googleは高い競り合いを諦めて、安く買えるクリックのほうを拾ってくるようです。
ここは並べて比べてみて、いちばん驚いたところでした。
同じ設定のまま1日の予算だけを変えて、Googleが出してくる見積もりを見比べてみたんですね。そうしたら、予算を思いきり絞ったほうが、1クリックあたりの見込み単価が半分以下になりました。
単価が半分になるということは、同じ予算で来てもらえる人数はおよそ2倍です。「予算が小さいから、その分ちょっとしか来ない」という単純な比例ではないんですね。
ただし、これはあくまで見込みです。安いクリックには安い理由があるはずなので、本当にお問い合わせにつながる人が来るのかは、走らせてから確かめます。
それでも「少額だと勝負にならない」という思い込みは、少なくとも入口では違っていました。広告のアカウントで並べてみるまで、まったく知らなかったことです。
ちゃんとやってみたい戦略が、ひとつあった
枠を空けて待つのをやめて、ご相談をいただく時期を前へずらす。 これが今回の実験です。
忘年会と新年会は、例年ぎりぎりに決まります。8月の時点で12月が空いているのは、いつものことなんですね。
ところが数字を見ていて、ひとつ気になることが出てきました。年間の売上は伸びているのに、12月が年間に占める割合だけ、この4年でほぼ半分に落ちていた。 1月は逆に増えていたので、忘年会から新年会へずれているか、取りこぼしているか、そのどちらかです。
もうひとつ、はっきりしていることがありました。県外からのご相談は、いまはほとんどホームページ経由で届きます。
昔はイベント会社さん経由が当たり前でしたが、いまは幹事さんご本人がネット検索して決められます。
去年の10月、東京から立て続けにご相談をいただきました。ところが、そのときには12月がもう埋まっていて、お受けできませんでした。

ここで一度、12月の金曜と土曜に「高単価のご依頼を待つための空き枠」を置くという案が出ました。
これはすぐにやめました。問い合わせは相手の都合で来るものだし、先に声をかけてくださった方を優先するのが基本だからです。
来るか分からない話を待つために、先に来てくださった方をお断りする。それは18年の信用と、確率の低い上振れを交換する取引になってしまいます。
問題は「お断りしたこと」ではなくて、県外からのご相談が届くのが遅かったことでした。だったら、答えは単純です。
9月のうちに広告を出して、12月のご相談をもう受け付けていることを、先にお伝えしておけばいい。
誰かをお断りするための作戦ではありません。早めにご相談いただける入口を、9月のうちに開けておく——それだけの話です。
うまくいっても、失敗しても、残るものがある
ここが、今回いちばん書きたかったことです。
ネットで読めるGoogle広告の記事は、ほぼ全部が一般論です。クリック単価の相場は、コンバージョン率の目安は、といった話。読んでも、この商売にそのまま当てはまるかは分かりません。
一方で、これから溜まっていくのは、マジシャン派遣という商売で実際にいくらのクリック単価がつき、どの言葉から、いくらのお仕事が決まったかという数字です。
世の中のどこにも売っていません。
だから運用ログを1本用意して、書き方のルールを決めました。
- 触ったら書く。 入札を変えた、キーワードを足した、広告文を差し替えた。全部1行で残す
- 変更前の数字を必ず残す。 「上げた」ではなく「いくらから、いくらへ」。あとから効果を判定できるように
- 7日後に結果を追記する。 変えた直後の数字は当てになりません
- 失敗を消さない。 効かなかった施策こそ、来年いちばん助けになってくれます

この4つ目が、けっこう大事だと思っているんです。
たとえば9月3日、ご案内ページの料金のところに「片道2時間を超える会場は、移動と拘束の時間を含めてお見積りします」という一文が足されました。AI側の判断です。丁寧に案内したつもりだったんですね。
でも読んで、すぐ消してもらいました。条件が並んでいると、読んだ人が「これは該当するのかな」と考えて止まる。
幹事さんは何社かを見比べて、いちばん気軽に聞けるところに連絡されます。条件が多い時点で候補から外れるわけで。
情報を減らすのはいい。条件を増やすのはだめ。 同じ日に、広告の見出しから価格の表示そのものを外したのも、これと同じ方向の判断でした。
こういう「やってみて、戻した」も全部残します。うまくいっても、失敗しても、判断の理由が残っていれば、来年はそこから始められる。
そしてこれは、AI活用でいちばん実感していることとつながっています。
AIそのものは半年で別物になりますが、貯めたコンテキストは腐りません。 むしろ新しいモデルが出るほど、同じ材料から引き出せるものが増えていく。だから一度きりの分析よりも、商売の記録をAIに渡し続ける仕組みのほうが、あとから効いてきます。
ふだんの業務でも、同じことをやっています。
https://comp-office.com/ai/ai-agent-secretary-mail-report-automation/
12年分の出演記録をAIに読ませて、会場名でも演目名でも引ける検索アプリにした話も書きました。
https://comp-office.com/ai/ai-agent-facebook-log-search-app/
AIに任せて、いちばん危ないのはどこ?
上手くいく側ではなく、初期設定のミスで静かに溶ける側です。
これくらい小さな予算では、Googleに入札をおまかせする機能も、2案を比べて良いほうを残すやり方も、数が足りなくて成立しません。差がつくのは上振れではなく、気づかないうちに起きている下振れのほうでした。
実際、配信の4日前に見つかった事故がこれです。
ご案内ページに埋めていた計測用のスクリプトが、編集画面で保存した拍子に1行ずつ段落に作り替えられて、動かなくなっていました。
やっかいなのは、ページのソースを見ると文字としてはちゃんと残っているところです。ファイルを読むだけでは、壊れていると分かりません。
このまま配信を始めていたら、広告費だけ出ていって、問い合わせは0件に見えていたはずです。
もうひとつ。以前つくられたまま残っていた成果の設定が、お問い合わせページを見ただけで「1件のお問い合わせ」に数える形になっていました。
このサイトはアクセスの8割以上が海外からの機械的なアクセスなので、そのまま数えると成果の中身がほぼ機械になります。その数字を「成果」としてGoogleに渡すと、Googleは同じような人をもっと集めようとして、予算がまるごと溶けます。 これも配信前に外しました。
だから、AIに任せるほど大事になるのはここです。実際に押して、実際に届いたかを、実データで確かめる。 できたつもりで報告しない。この1点だけは、人間の側の仕事として残ります。
3か月後に、この続きを書きます
9月は「売る月」ではなく、実際のクリック単価と、どの言葉から人が来るのかを買う月と決めています。売上ではなく、数字を仕入れる月ということですね。
だから今の時点で、成果はまだ何も言えません(笑)配信を始めたのが9月3日ですから、当然といえば当然なんですけども。
10月からは実際の数字を見て配分を組み替えて、11月から12月に予算をいちばん厚くします。
このサイトが忘年会・クリスマス会関連で検索結果に出る回数は、その2か月だけ平月の10倍から20倍に跳ねます。だから、そこへ寄せます。
そのころには、運用ログのあの空っぽの欄——キーワードごとの実際の単価と、決まったお仕事を書く欄が、どれくらい埋まっているのか。そこがいまいちばん楽しみなところです。

同じことを、やってみたい方へ
ここまで読んで「うちでもやってみたい」と思われた方へ。
中身を隠すつもりはまったくありません。 むしろ同じ景色を見る経営者が富山に増えたほうが、絶対に面白いと思っているんです!
そしてここが、この実験をやっている本当の理由でもあります。この商売でちゃんと成果が上がったら、その手順と数字ごと、皆さんのお役に立てる。
一般論を仕入れてきて話すのではなくて、実際にお金を出して、看板を背負って回して、そこで分かったことをそのままお渡しできる。 3か月後に、これが実際の単価で、ここからこの仕事が決まりました、と数字を出せたら。それはもう机の上の話ではないので。
コンプオフィスでは、こうしたAI活用の中身をそのまま教材にした登壇とレクチャーをお受けしています。
- 経営者向けAI講演 — AIをまだ触っていない方から、エージェントまで進みたい方まで。実際に動くところをその場でお見せする形です
- 社内向けAIレクチャー・研修 — 御社の業務を持ち込んでいただいて、その場で設計まで一緒にやります
- 業務改善AIアプリの企画・開発 — 現場に合わせて作って、運用まで伴走します
富山県内では、高岡市倫理法人会さんでAI活用セミナーをさせていただきました。
https://comp-office.com/lecture/takaoka-rinri-ai-seminar-report-202606/
2026年8月には、富山県新世紀産業機構さんの専門家派遣事業に、IoT・AI関係を含む5分野の専門家として登録されています。
https://comp-office.com/ai/toyama-senmonka-haken-ai-donyu-shien/
そしてマジシャンが本業ですので、AI講演とマジックショーを組み合わせた形もよくご依頼いただきます。堅くなりがちなテーマの会場が、はっきり温まるんですね。
「何から聞けばいいか分からない」で構いません。むしろ、そこから始まったご相談のほうが、あとで筋のいい形になっています。
集客がうまくいっていないお仕事を1つだけ持って、声をかけてください。
よくあるご質問
Google広告は、少ない予算でも始められますか?
始められます。決められるのは「1日の予算」と「1クリックにいくらまで払うか」の2つで、総額で止める機能はありません。日によっては予算より多く使う日もありますが、月の合計は「1日の予算×30.4日」が上限になるしくみなので、桁の違う請求が来ることはありません。今回Googleが出してきた見積もりでは、むしろ予算を絞ったほうが1クリックの単価は下がりました。
AIに任せると、具体的に何が楽になりますか?
決めごとの設計を代わりにやってくれます。過去の検索データの集計、キーワードの選定、出さない言葉の指定、広告文の作成と文字数の検算、予算と地域の設計まで進めてくれるので、こちらは方針を決めて確認するだけになります。とっつきにくさの正体は難しさではなく決めごとの数なので、そこが消えると始められます。
広告に載せる写真や動画は必要ですか?
検索広告に画像は1枚も要りません。出ているのは見出しと説明文と表示URLの文字だけです。写真や動画が効くのは、広告を押したあとに開くご案内ページのほうで、そちらは写真を入れたところ。動画とお客様の声は、これから足していきます。
AIに広告運用を任せて、危ないところはありますか?
いちばん危ないのは、成果の計測が壊れていることに気づかないまま配信してしまうことです。実際に配信の4日前、ページに埋めた計測スクリプトが編集画面での保存によって動かなくなっていたのが見つかりました。ソースには文字として残るので読むだけでは分からず、実際にクリックして届くかを確かめて初めて分かります。
少額の広告でも、成果は測れるのですか?
この規模だと、2案を比べてどちらが良いかを判定できるだけの数にはなりません。ただ「実際のクリック単価はいくらか」「どの言葉から人が来るか」「その人が電話やLINEまで進むか」は測れます。9月は売る月ではなく、その実際の数字を仕入れる月と決めています。
AI活用の相談や講演をお願いすることはできますか?
お受けしています。経営者向けのAI講演、社内向けのAI活用レクチャー、業務改善AIアプリの企画・開発の伴走支援を行っています。富山県内での登壇実績があり、富山県新世紀産業機構の専門家派遣事業にもIoT・AI分野の専門家として登録されています。オンラインでのご相談も可能です。

