最強AI「Claude Fable 5」を1週間使い倒して行き着いた、“ハーネス”という考え方

こんにちは!マジシャンのコンプレッサーです!

今回はマジックの話ではなく、AI活用のガチな話をお届けします。

最強クラスのAI「Claude Fable 5」を1週間ほど、ぶっ通しで使い倒しました。地力はまちがいなく本物です。ただ、この期間限定の道具と向き合ってみて、いちばん腹落ちしたのは、少し意外なことでした。

すごいモデルを“使う”こと以上に、そのすごさを“モデルが替わっても引き出せる状態”にしておくこと。 AIの外側にある足場、いわゆる「ハーネス」を整えることに、いちばん時間を注ぐ価値があった——今回はそんな話です。

最強AI「Claude Fable 5」が“1週間限定”で帰ってきた

まず状況の整理から。Claude Fable 5という、かなり評価の高いAIモデルが、いま契約プランの中で使えるようになっています。うれしいのは、サブスクの範囲内なら追加料金なしで回せること。

ただし枠の減りは速めで、ほかのモデルより早く上限に届きます。だから軽い用事ではなく、複雑で重たい仕事にこそ回すのが正解、という位置づけです。

そしてこの“追加料金なし”は期間限定。当初はすぐに従量制(使った分だけクレジット消費)へ切り替わる予定でした。上限に届いた先は、いわゆる使った分だけの世界です。

耳にした噂も、なかなかの数字でした。フルに1日使うと、ざっくり10万円ほどかかるらしい、と。真偽はさておき、そう言われると心構えが変わります。「追加料金なしで使える枠を、1ミリも残さず使い切る」——今回はそこに全振りすると決めました。

期限つきで最強の道具が手に入ったら、やることは一つ。とにかく回して、その実力をこの目で確かめる。それだけです。

1週間で“使い切る”と決めて、片っ端から試した

使い放題の1週間で回したのは、大きく3種類です。

  • これまで自作してきたアプリやシステムの作り直し・強化(出演カレンダー、経理まわり、発信の自動化など)
  • お客さまから実際にご依頼いただいている案件
  • 前からやってみたかった、膨大なページ数のWebサイトのリメイク

とくに最後のサイトリメイクは、普段なら腰が引ける規模でした。ページ数が多く、構造も入り組んでいる。そういう「重たい塊」を、Fable 5にどんどんぶつけていきました。

金髪・赤チェックスーツのマジシャンが工房の真ん中で指揮し、擬人化した歯車やペンやサイコロのチビキャラが総動員でアプリと巨大Webサイトを組み立てているAI活用イメージのイラスト
作りたかったもの、直したかったもの、頼まれていたもの。1週間、工房をフル稼働させて回し続けました。

普段からAIエージェントには、ブログ発信や経理までまるっと任せています。その土台があるので、テーマを渡すスピードは速い。声で話すだけでブログとSNSまで仕上がる仕組みも、この延長線上にあります。

https://comp-office.com/ai/voice-to-blog-sns-auto-posting/

VSCode上で執筆から画像生成、WordPress投稿までを自動化してきた流れも、今回いっそう厚みが増しました。今はIDEを使ってませんけどね。

https://comp-office.com/ai/vscode-claude-code-wordpress-auto-publish/

Fable 5 の実力はホンモノ。でも1週間で終わる

使ってみての率直な感想は、「これは、すごい言語モデルだ」。理解の深さも、長い文脈を追う粘り強さも、込み入った作業をほどく手際も、ワンランク上でした。

重たいサイトのリメイクが現実的な選択肢に見えてくる——その感覚だけでも、回した価値がありました。

ただ、ここで冷静になります。この使い放題は、1週間で終わる。

その後は1日10万円とも噂される従量課金。一ヶ月使い倒すと300万円(笑)つまり「Fable 5がすごい」で終わらせてしまうと、期限が切れた瞬間、手元には何も残りません。感動は残っても、明日からの仕事は元どおりです。

だからこそ、問いを一段ずらしました。「このモデルはすごい」ではなく、「このすごさを、モデルが替わっても手元に残す方法はないか」。ここから話が動き出します。

たどり着いた答えは「ハーネスを整える」だった

いま生成AIの現場でしきりに語られているキーワードに、「ハーネス」があります。

ハーネスとは、AIモデルそのものではなく、モデルの“外側”に用意する足場のことです。 どんな指示を与えるか、どんな手順を踏ませるか、どの情報を記憶させておくか、出力をどうやってAI自身に検証させるか。モデルを取り囲むこの仕組み一式が「ハーネス」です。

同じモデルでも、この足場が整っているかどうかで、出てくるものの品質がまるで変わります。

そこで立てた問いが、これです。

Fable 5を使わなくても、ふだんのAIから同等の出力を引き出せるハーネスは組めないか?

登山にたとえるなら、Fable 5は「脚力のずば抜けた登山家」。でも本人がいなくなったら山は登れません。一方ハーネスは「誰が登っても安全に高く登れる装備とルート」。人が替わっても再現できる仕組みのほうが、事業には効くはずだ、と考えました。

小さなマジシャンが大きくて優しいAIロボットにハーネス(作業用の足場・装具)を装着すると、左側の乱れた出力が右側でキラキラの結晶に整っていく、AIハーネスと出力品質のイラスト
同じAIでも、ハーネス(足場)を装着した右側は出力がくっきり整う。モデルの地力を“いつでも引き出せる形”にするのが、この足場づくりです。

AIエージェントを日常業務に組み込む中で、データ同期や記憶の持たせ方に何度もつまずいてきました。その試行錯誤こそ、まさにハーネスづくりの積み重ねだったと、今回あらためて腹落ちしました。

https://comp-office.com/ai/macbook-ai-agent-data-sync/

そうして生まれた「全力スキル」

問いを形にする中でできあがったのが、名づけて「全力スキル」です。

これは一発の回答で終わらせず、5〜6の工程をぐるぐる回して品質を磨き上げる手順を、AIに毎回踏ませる仕組みです。中身をざっくり並べると、こうなります。

  1. 成功基準を先に宣言する — 「何ができたら完成か」を着手前に箇条書きで固定する
  2. 設計する — いきなり書かず、案を比べて方針を決める
  3. 小さく作って、都度動かす — 一気に作らず、動く最小単位ごとに確かめる
  4. 敵対的にセルフレビューする — 別人格になり、手元の成果物を“壊すつもり”で粗を探す
  5. 実行して検証する — 「書いた」で終わらせず、動かした証拠を持って完成と言う
  6. 指摘ゼロになるまで繰り返す — 直したらもう一周。2周連続で指摘ゼロで完成

ポイントは、「最初の出力はただの仮説」という前提です。仮説を検証し、壊しにかかり、直し、また検証する。このループを回した回数が、そのまま品質になります。賢いモデルが一発で出す答えに、ふつうのモデル+しつこいループで追いつこう、という発想です。

計画・実装・レビュー・検証・反復の5工程を擬人化したチビキャラがバトンリレーし、回すほど歯車のトラックが金色に輝いていく「全力スキル」のループを表したイラスト
計画→実装→レビュー→検証→反復。ぐるぐる回すほど、灰色のトラックが金色に磨かれていく。これが「全力スキル」のイメージです。

最終的に時間を注いだのは、モデルではなく“足場”だった

1週間、Fable 5でいろいろなものを作りました。けれど終盤、いちばん時間を注いだのは、新しい作品づくりではありませんでした。

ふだん使っているAIエージェントのハーネスそのものを整え直す作業です。指示の書き方をそろえ、記憶の持たせ方を見直し、レビューと検証のループを標準の流れとして組み込む。派手さはありません。でも、これをやっておけば、Fable 5の使い放題が切れたあとも、質の高い思考と回答が手元に残ります。

そして追加料金なしの枠を、狙いどおり100%きれいに使い切りました。 最強AIから受け取った本当のおみやげは、モデルそのものではなく、「モデルが替わっても品質を出し続けるための足場」だった——今回の日々は、その一点に尽きます。

【オチ】使い切った、と思ったら——「延長します」のメール(笑)

……と、ここまで気合いを入れて走り切り、「よし、枠は使い切った!締めもバッチリ!」と思っていた矢先。

一通のメールが届きました。件名は “Fable 5 access is extended through Sunday”。ざっくり訳すと、「従量制に切り替わる予定だったけれど、プロモを延長したので日曜まではプラン内でそのまま使えます」。使った分だけの課金に切り替わるのは、その翌日から、とのことでした。

思わず笑ってしまいました。あれだけ「もうすぐ終わる、使い切るぞ」と身構えていたのに、まさかの延長戦です。

でも、ここで大事なことに気づきます。締め切りが動いても、今回の結論は1ミリも動かない。 むしろ延びた数日ぶん、ハーネス(足場)をさらに磨けるだけ。「モデルの期限に振り回されず、いつでも品質を出せる足場を持っておく」——延長のお知らせは、その考えが正しかったことを、逆に後押ししてくれました。

道具の“期限”に一喜一憂するのではなく、道具が替わっても回り続ける仕組みを持つ。今回いちばん伝えたいのは、まさにそこです。

まとめ:AIは“賢さ”だけじゃない。“問いと足場”が活きる

  • 最強AI「Claude Fable 5」は本物。理解の深さも作業のさばきも一枚上でした
  • ただし期間限定。だから「すごい」で終わらせず、手元に残る形に変換した
  • カギはハーネス。同じAIでも、足場の設計しだいで出力品質は大きく違ってくる
  • そこから全力スキル(5〜6工程のループ)が生まれ、ふだんのAIの底上げに直結した
  • (オチ)締め切りはまさかの延長。でも結論は不変——延びた数日は、そのまま“足場磨き”に使う

すごい道具を本当に活かすのは、どんな問いを立て、どんな足場を用意するか。マジックのタネと同じで、見えている派手さの裏にある“仕込み”が、結果を決めます。

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株式会社コンプオフィスでは、こうした現場で回してきたAI活用のノウハウを、業務効率化のご相談講演・セミナーの形でお届けしています。

マジシャンが実際に事務所で経理も発信も回している、その生々しい実践がベースです。「AIを何から始めれば?」という段階の方にも、具体的にお話しできます。

倫理法人会さまでのAI活用セミナーなど、経営者向けの登壇実績も重ねています。

https://comp-office.com/lecture/takaoka-rinri-ai-seminar-report-202606/

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この記事を書いた人

マジシャン・コンプレッサー(株式会社コンプオフィス代表)。プロマジシャン18年目、AIスペシャリスト。出演のかたわら、経理・発信・資料作成まで自社の業務をAIエージェントで運用し、その実践を富山県内外の経営者向けセミナー・講演でも発信しています。

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